手放すことは、できないよ
また書いてました。うっぷんは、こういう形でしか晴らせない・・(笑)。歪んでます。
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「手放すことは出来ないよ。」ダンナは寂しそうに言う。
「僕の手には余るけどさ。
確かにアレは重すぎるから。もう支えきれなくなってきてる、かなり。
だけど、最初に出会った時の喜びが忘れられなくて。
別れられない。」
「でも、両方は、無理なのよ。貴方も分かっていると思うけど・・。」
同い年の夫婦って、
どうしても女の方が老けて説教臭くなってしまうのかな?
「そうさ、両方持ったって、体は1つだし、両方一緒に乗れるものでも無い。
多分古い方は忘れさられて、埃が積もってしまうかもしれないけど。
でもさ、あれは、ステータスなんだ。男のロマンなんだ。」
「ステータスとか、ロマンて?
でも、お金のいることだし・・。貴方にそんな甲斐性があるのかしら?前の時だって、かなりお金貸したよね?」
こういう言い方をするから、かわいくないとか言われそうだけど・・。
「ボーナスで返しただろ!ちょっと借りただけじゃないか。
それとさ。・・どうせ、ずっとなんて持ってられないんだから、今だけでも。ぎりぎりまで、
持っててもいいだろ?今まででも、なんとかやってきたんだから。もうあと何年も無い。」
それって、枯れるのを待てって言ってるのかしら?
「でも、私ももうずいぶんと譲歩したつもりだけど。」それだけは、言っておきたい。
「一昨年は伊勢に3泊4日も、去年は四国に4泊5日も、今年は金沢に2泊3日も、許したよね。
それでも、満足しないの?」
「いや・・お前は分かってないよ。男の気持ちっていうのが。
お前は冷たい女だよな。」だから、俺は向こうに走ったとでもいいそうな。
勝手な言い分。
「ダメなんだ。天気が良いと、もう一緒に行きたくて、
お前には悪いと思うけど、足がそちらに向いてしまう。
でもあれは重すぎるから、もっと軽いのを持ちたい。だから金を貸してくれ。」
「呆れたっ。
もうこの頃ずっとよ。私なんか週末はいつも1人で過ごしてますけどね。
まあ勝手にやってたらって、諦めたつもりだった。
だけど、このうえまだ増やすから、お金を貸せだって?あなた、私に向かって、しれっとよく言うよね?」
「ああ、そうだよ。1300ccのバイクは重すぎるんだよ。だからもう一台250ccのバイク買って、
もっと気軽に近所をツーリングしたいんだよ。丁度いいだろ。お願いだよ。」
「1300ccを売りなさいよ。2台も持つ意味無いじゃん!金ない癖に欲しがるな!」
そうやって、ドロ沼の夫婦喧嘩・・になりゃまだいいが、だいたい私が折れる。。
らちあかん。ダンナは言い出したら聞かないし、2台持つんだろうなぁ・・。
(何故私はいつも負けるのか、意味わからん。)
(了)
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