せわしない日常

超個人的、日常雑記のブログです。

 先生、鞄が欲しいです

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子どもから伝えられた話ですが、

現国の教科書に安部公房の「鞄」が載っていて、

解説を聞いたクラスのとある女生徒が
「先生、私にも、鞄が欲しいです。」と先生にぽつっと訴えた。
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それだけでは分かりにくい話ですけど、
安部公房の「鞄」は、解説書などでは、鞄は、人間を規制(制約)するものの象徴と捉えられているらしい。
それがあるから、思うようにならない が それゆえに諦められたり、仕方なく思えたりできるモノ(というように前述の女生徒は理解していると思う。)

最近の悩める学生は、自由すぎて困っているんですね。

進路も、早い段階から「何になりたいんだ?何になりたいんだ?」と追い立てられるよう。進路指導って、余計なお世話ですよ。
なりたいものがあって、それに対して邁進して行けるなんて一握り。
あとは迷走の極みと思います。

先生は、何にでもなれるって言うけど・・
NO!そんなわけはないのにと。

鞄が欲しい。家業があるから継がなきゃいけないとか、貧しいから働きに行かなきゃいけないとか
女だからソコソコにしなさいとか、
そういう縛るものがあるほうが、自分の進むべき道が照らされる・・

自由がありすぎるから 逆に心の有り方は不自由だと。
自由すぎて、悩んでいるうちに終わってしまうというか・・1つ選んでも、他の道が良かったのではと投げ出してしまうというか、
いつの世でも、上の世代の思いもかけない所で、下の世代は大変だ。
子どもを見ていて思ったことですが。